
1910年3月10日に開業した阪急電車。
実は、開業当初から公式の唱歌があるようです。
箕面有馬電車唱歌
箕面有馬電気軌道(現在の阪急電鉄)が誕生した明治期は鉄道の敷設が各地で進んでおり、沿線PRのため沿線の地名や名所を歌った七五調の「鉄道唱歌」や「電車唱歌」などが数多く作られました。阪急の設立者である小林一三もこれに倣って「箕面有馬電車唱歌」を制作し、沿線の小学校に配布したようです。
なお歌詞は全15番からなっており、各所に駅名や地名が散りばめられています。
<歌詞>※当時の駅名は赤字
1.東風(こち)ふく春に魁(さきが)けて
開く梅田の東口
往来う汽車を下に見て
北野に渡る跨線橋
2.業平塚や萩の寺
新淀川の春の風
十三堤の野遊びに
摘むやたんぽぽ五形花(げんげばな)
3.菜種の花の道ゆけば
眼にも三国の発電所
煙の空をあとに見て
牛立三屋服部の
4.天神宮へ初詣
鳥居を出でて東には
住吉大社の森深く
天竺川の松涼し
5.名も高台の岡山に
芦田ヶ池(あしだかいけ)の水鏡
霞の中に岡町を
過ぎて若葉の浅田山
6.歌に名高き玉阪や
待兼山(まちかねやま)も窓近く
その一声のほととぎす
わたる石橋分岐点
7.右にわかれて箕面路に
秦野のつつじ桜井の
薬師清水の八重桜
散りし瀬川の古戦場
8.ラケット形の終点に
止まる電車をあとにして
行くや公園一の橋
渡る渓間(たにま)の水清く
9.溯り行く源の
青葉の雲に霧こめて
夏なお寒く雪と散る
滝の高さは二百尺
10.紅葉の中の弁天や
札所の一(いつ)の勝尾寺
遥に拝し奉り
再び戻る分岐点
11.尊鉢才田右に見て
池田の町の新市街
呉服(くれは)神社に五月山
麓をながる猪名川や
12.能勢の妙見伏し拝み
銭屋五兵衛の塚近く
南に開く山の影
新たに植えし花屋敷
13.木部
四季ももくさの花畑
長閑に響く夕暮の
鐘は中山観世音
14.紫雲棚曳く山の端に
梅の香の米谷(まいたに)や
清荒神かみさびて
武庫川千鳥走りゆく
15.早き電車の終点に
集まり来る都人
土産も重き宝塚
楽み多きゆきき哉
…といった内容の歌詞でしたが、なかなか当時の面影が多くあります。
特に当時らしさがあったのは「ラケット形の終点」という表現。開業当初の箕面駅は線路がループ状に敷かれていたのでこのような歌詞になったと考えられます。
他にも北野駅や新淀川駅があるなど、当時の様子がよくわかります。
なおこの「箕面有馬電車唱歌」のメロディーを令和っぽくリメイクした動画が大阪音楽大学からアップされていました。
編集後記
こうやって自社の歌を制作するあたり、新しい文化の幕開けを意味してそうでかっこいいですね(何をいってるんでしょう)よろしければ横(スマホの場合は下)から読者登録とTwitterフォローもお願いします✨
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参考文献・関連リンク
阪急文化財団(2015).『レール&ステージ 小林一三の贈り物』.阪急文化財団,59頁「阪急宝塚線、100年を旅する唱歌 音大生がリメイク」.朝日新聞デジタル.〈https://www.asahi.com/articles/ASMBX6SJVMBXPPTB006.html〉.2022年1月28日参照
「箕面有馬電車唱歌 令和元年ver. 【阪急宝塚線ミュージック駅伝MOT!】」. 大阪音楽大学【DAION】.〈https://www.youtube.com/watch?v=GAFhGEGoKTA〉.2022年1月28日参照
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